平成29年度都立西高等学校グループ作成問題(作成:進学指導重点校グループ作成委員会)第4問

整数に関する応用問題です。問2のような問題は苦手とする生徒が多いでしょう。特に(2)は時間内にしっかり問題の意味を把握し、解答できた生徒は少ないかも知れません。
それでは問1から見ていきましょう。

これは落とせない問題です。2桁の自然数nがイメージできていれば問題なく答えられると思います。後半が難しい分、ここは確実に点を取っておきましょう。
それでは次に問2の(1)です。

学校発表の解答はdが9のときと、そうでないときで場合分けしていましたが、上のような解答でも大丈夫だと思います。この手の問題では、まずは具体的な数字をいくつか試してみて、どうなるのかを探ることが大事です。とりあえずnが53だとしたらどうなるかな?などいくつか具体例を書き出して、問題の本質に迫っていきます。具体例で理解できたら、次に文字を使い一般的に示せるかを考えていきます。数字も文字もどんどん書いて、頭の中を整理していきます。整数問題は考えにくい問題も多く難しいですが、類題を多く練習して慣れていってもらえればと思います。
それでは最後に問2の(2)です。

これも具体的な数字をいくつか試して、どうなっていればcが2つ以上になるのか、またcが4となるのかを考えます。nは11から99のいずれかで20や30など0を含む数字にはならないですから、nの十の位と一の位の和で最低でも2にはなるはずです。また、mはx-nの結果なので最低でも1以上の数です。つまりcが4となるとき、nの十の位と一の位の和は2か3のいずれかということになります。nが2桁の自然数であることを考えると、上の解答のようにnは11,12,21のいずれかであるとわかります。
nが11のとき、mの各位の数の和は2である必要があり、なおかつn+mは3桁の自然数になる必要もあるので、mは110,101,200となる可能性があります。このように1つずつ探っていくと上のように全部で5パターン作ることができて、そのうちの2つは同じ値になったので、最終的な答えは3つとなりました。
xが112のとき、nが11や12など繰り下がりがどの桁でも起きない計算となるときは、cは4ですが、nが13などになると繰り下がりが起こりcは24となります。この繰り下がりが何回起こったかによってcの値は変わってきます。どの桁で繰り下がりが起こるかは関係ないので、cは最大で3つ存在できることになります。この辺りも具体的な数字をいくつも試して、実際に自分で確かめてみると面白いと思います。問題数をこなすことも大事ですが、1問をじっくり考えてみるという経験も理解を深める上では大切だと思います。
<総評>問2の(2)は難しく、時間的にも余裕はなかったと思います。合否の分かれ目になるような問題ではないかと思います。