平成27年度都立高校入試問題(作成:東京都教育委員会)第4問

 
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三角形の合同の証明を含む平面図形の問題です。問2の2番目の問題はこの年の問題で一番難しいかも知れません。

では問1から見てみましょう。

 

与えられた角度の情報をどんどん書き込んでいきましょう。三角形の外角の求め方にも慣れていれば、この解答くらいスムーズに答えまで辿り着けると思います。もちろん角Aの大きさを求めても大丈夫です。まずはしっかり答えまで辿り着くことが大事ですよ。

それでは問2です。合同の証明は簡単なので省略しました。発表されている解答を参考にして下さい。

 

すでに合同は証明されているので、対応する辺や長さが等しい辺に印を付けました。そして角度に注目して下さい。まず、合同から∠APB=∠ARCですね。そして円周角の性質から∠APB=∠ACBです。さらに、辺に付けた印から△ABCと△APRと共に二等辺三角形だとわかるので、×印を付けた角度はすべて等しいということがわかります。

この時点で2つの二等辺三角形の相似に気付けば、あとはAPの長さがわかれば、相似からRPの長さがわかり、CPの長さもわかるな、と予想できます。では、線分APの長さはどれくらいでしょうか。感覚的にBCと同じ長さのような気がする。そういう方もいらっしゃるかと思います。今回、その感覚は正解で、APの長さは6なのですが、その理由をはっきり述べられますか?

上の図には書き込んでいませんが、△BPAも二等辺三角形なので、∠BAPも×印が付きますよね。すると△ABCと△BPAの合同が証明できますから、BCとAPは同じ長さであると断言できるのです。図形問題を解いていると「この辺の長さは、たぶんこっちの辺と同じ長さだろう」ということがよくあると思います。ですが「なんとなくの感覚」をそのまま続けていると正答率は上がりません。

なんとなく同じような気がするけど、本当にそうなのか確信が持てるまで考え抜く。この作業をすることで正答率はぐんとアップしますし、理解もぐっと深まります。最初は時間がかかるかも知れませんが、毎回必ず考えるようにしましょう。

そこまでしっかり見抜ければ、上に書いたように相似を利用して答えまで辿り着くでしょう。

<総評>問2の2番目の問題は、差が付きそうですね。テストなので確信は持てなくても、AP=6として答えを出してしまうのも、アリです。何も書かなければ確実に0点ですが、書いてさえいれば可能性は残ります。

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